エクセルで平均値を簡単に計算!平均関数(AVERAGE関数)の使い方をわかりやすく解説

エクセルの基本的な機能の1つである「平均」。データ分析や業務において、この機能は必要不可欠です。しかし、初心者にとっては使い方が分からず、エラーが発生することも多いかもしれません。

そこで今回は、エクセルの平均関数について、基本から応用まで徹底解説します。記事を読むことで、平均値の求め方、エラーの解決方法、活用事例まで理解できるようになります。エクセルの使い方に自信のない方も、この記事を読んでエクセルの平均機能をマスターしましょう。

エクセルで平均値を求める方法の基礎知識

平均値とは?

平均値とは、数値の集合に対して、それらの総和をその数値の個数で割った値のことです。平均値は、データの中央値や最頻値とともに、統計解析においてよく用いられる指標のひとつです。平均値は、その集合の特徴を示す指標として利用されます。

エクセルの平均関数とは?

エクセルの平均関数は、数値の集合から平均値を計算するための関数です。平均値は、データを総和で割るための基本的な数学の概念ですが、エクセルの平均関数を利用することで、簡単に平均値を求めることができます。

平均関数は、一般にAVERAGEという関数名で知られています。この関数は、引数に数値を含む範囲を指定することで、その範囲内の平均値を返します。

エクセルの平均関数(AVERAGE関数)の基本的な使い方

エクセルで平均値を求めるためには、AVERAGE関数を使います。AVERAGE関数は指定したセルの平均値を求めるための関数です。以下、AVERAGE関数の基本的な使い方について解説します。

平均値を求める方法

平均値を求めるには、以下の手順を実行します。

  1. 平均値を求めたいセル範囲を選択します。
  2. 選択した範囲の上にある関数ツールバーで「関数の挿入」をクリックします。
  3. 「関数の挿入」ダイアログボックスが表示されるので、検索欄に「AVERAGE」と入力します。
  4. 表示されたAVERAGE関数をダブルクリックして選択し、OKボタンをクリックします。
  5. 選択したセル範囲の平均値が表示されます。

引数を指定する方法

AVERAGE関数では、引数を指定することで平均値を求めることができます。引数とは、関数に渡す値のことです。引数を指定するには、以下の手順を実行します。

  1. 平均値を求めたいセル範囲を指定します。
  2. 「=AVERAGE(セル範囲)」と入力します。セル範囲は、平均値を求めたいセルの範囲を指定します。
  3. Enterキーを押すと、セル範囲の平均値が表示されます。

以上が、AVERAGE関数の基本的な使い方です。

エクセルの平均関数の応用技術

複数の範囲を指定する方法

平均関数を使用して複数の範囲の平均値を求めるには、複数の範囲を1つの式に組み込む必要があります。以下は、複数の範囲を指定する方法です。

  1. 「平均」関数を入力したいセルに選択し、「=平均(範囲1, 範囲2, … , 範囲n)」を入力します。
  2. 平均を求めたい範囲を指定するために、範囲1、範囲2などと続けて指定していきます。
  3. 指定したすべての範囲の平均値が計算されます。

条件に合致する値のみを平均する方法

条件に合致する値だけを平均するには、「平均」関数と「IF」関数を組み合わせることができます。以下は、条件に合致する値のみを平均する方法です。

  1. 「平均」関数を入力したいセルに選択し、「=平均(IF(条件, 範囲))」を入力します。
  2. 条件に合致する値だけを平均するために、「IF」関数を使用して、条件と範囲を指定します。
  3. 「Ctrl + Shift + Enter」を押して、数式を配列式として入力します。

条件に合致する値のみが平均されます。

誤差範囲を考慮した平均値の求め方

平均値を求める場合、測定値に誤差が含まれることがあります。その場合、誤差範囲を考慮して平均値を求めることが望ましいです。エクセルでは、以下の方法で誤差範囲を考慮した平均値を求めることができます。

  • 平均値を求めるデータの範囲を選択します。
  • 「条件付き書式」を使って、誤差範囲を表す色を設定します。
  • 条件付き書式の「数式」を設定し、誤差範囲を表す数式を入力します。
  • 「条件付き書式」で設定した誤差範囲を持つセルの平均値を求めます。

具体的な手順は以下の通りです。

条件付き書式で誤差範囲を設定する方法

  1. 平均値を求める範囲を選択します。
  2. 「ホーム」タブから「条件付き書式」を選択し、「新しいルール」をクリックします。
  3. 「セルの値」から「式を使って書式設定する」を選択します。
  4. 「書式設定のルール」ダイアログボックスの「書式」を選択し、「塗りつぶし」タブをクリックします。
  5. 「色」をクリックして、誤差範囲を表す色を選択します。
  6. 「数式」という項目に条件を指定する式を入力します。例えば、誤差範囲が10%以内の場合は「=ABS(AVERAGE(A1:A10)-B1)/B1<=0.1」と入力します。
  7. 「OK」をクリックして設定を完了します。

誤差範囲を考慮した平均値の求め方

  1. 「条件付き書式」で設定した誤差範囲を持つセルを選択します。
  2. 「Fx」ボタンをクリックします。
  3. 「関数の挿入」ダイアログボックスで「AVERAGE」を選択し、「OK」をクリックします。
  4. 計算結果が表示されます。

以上の手順により、誤差範囲を考慮した平均値を求めることができます。

他の関数との組み合わせ技術

IF関数との組み合わせ

IF関数を使用することで、特定の条件に基づいて平均値を求めることができます。以下の手順で実行できます。

  1. 平均値を求めたい範囲を選択し、IF関数を入力するセルを選択します。
  2. IF関数の条件式に平均値を計算する条件を指定します。例えば、ある条件が満たされた場合にのみ平均値を計算する場合、条件式に「=条件」と入力します。
  3. TRUEの場合に使用する式に、平均関数を入力します。「=AVERAGE(条件に合致する範囲)」と入力します。
  4. FALSEの場合に使用する式に、空白または0を入力します。
  5. 入力したIF関数を実行すると、指定された条件に合致する場合にのみ平均値が計算されます。

SUM関数との組み合わせ

SUM関数を使用することで、特定の範囲の値を合計してから平均値を求めることができます。以下の手順で実行できます。

  1. 平均値を求めたい範囲を選択し、SUM関数を入力するセルを選択します。
  2. SUM関数の引数に平均値を計算する範囲を指定します。「=SUM(範囲)」と入力します。
  3. 平均値を計算するために、SUM関数の結果に対して、合計した数値の数で割る平均関数を使用します。「=AVERAGE(範囲)」と入力します。
  4. 入力した関数を実行すると、指定された範囲内の値を合計してから平均値が計算されます。

以上の方法で、IF関数やSUM関数を平均関数と組み合わせることで、より複雑な計算を実行できます。

エクセルでの平均値の活用方法

データ分析での平均値の使い方

データ分析において平均値は、そのデータの中心傾向を表す重要な指標の1つです。以下は、平均値を使ったデータ分析の例です。

  • 売上の平均値を求めて、その傾向を把握する
  • 生産ラインでの製品の平均生産時間を求めて、生産効率を把握する
  • サービス業での顧客満足度調査の結果の平均値を求めて、改善すべきポイントを把握する

平均値を用いたデータの可視化方法

平均値を用いたデータの可視化方法として、以下の2つがあります。

ヒストグラム

ヒストグラムは、データの分布を視覚的に表現するグラフです。データを一定の幅の区間に分け、その区間に含まれるデータの数を棒グラフで表現します。平均値は、ヒストグラム上の山の位置に相当します。

箱ひげ図

箱ひげ図は、データのばらつきを表現するグラフです。最大値、最小値、四分位数などを用いて箱とひげを描きます。箱の中央には中央値があり、箱の下側には第1四分位数、上側には第3四分位数があります。箱ひげ図に平均値を追加する場合は、箱の中央に点を打つなどして表現します。

以上のように、平均値はデータ分析において重要な役割を果たしています。また、平均値を用いたデータの可視化方法も多数あり、それらを組み合わせることでより効果的な分析が可能になります。

平均関数のエラーと解決方法

「#DIV/0!」エラーについて

エクセルで平均値を求める際に、分母が0である場合に発生するエラーです。このエラーが発生すると、求めるべき平均値が0になってしまい、データの分析が正確に行えなくなる場合があります。解決方法は以下となります。

  1. 分母が0にならないよう、データ入力の際に注意する。
  2. IF関数を使って、分母が0の場合に0を返すようにする。
  3. 条件付き書式を使って、分母が0のセルを目立たせる。

「#VALUE!」エラーについて

エクセルで平均値を求める際に、計算するセル内に文字や日付などの数値以外のデータが含まれている場合に発生するエラーです。数式の中に文字列や日付を含めることはできないため、エラーが発生します。解決方法は以下となります。

  1. 平均値を求めるセル範囲内に、文字列や日付を含まないようにする。
  2. 数値以外のデータが入力されているセルを修正する。
  3. IFERROR関数を使用して、エラーが発生した場合に0を返すようにする。

 「#REF!」エラーについて

エクセルで平均値を求める際に、参照しているセルが削除された場合に発生するエラーです。削除されたセルを参照する数式が残っているため、エラーが発生します。解決方法は以下となります。

  1. 削除されたセルを参照する数式を修正する。
  2. 参照しているセル範囲を再指定する。
  3. エラーが発生するセルを削除する。

「#NAME?」エラーについて

エクセルで平均値を求める際に、平均関数の関数名を誤って入力した場合に発生するエラーです。関数名が誤っているため、エラーが発生します。解決方法は以下となります。

  1. 平均関数の正しい関数名を入力する。
  2. 平均関数が含まれている関数リストを確認して、正しい関数名を入力する。
  3. 自動修復機能を使用して、エラーを自動的に修正する。

平均関数の活用事例

エクセルの平均関数は、データ分析において非常に重要な関数です。平均値は、データの中心的な傾向を表すため、データ分析において広く利用されています。ここでは、平均関数の活用事例をいくつか紹介します。

データの平均値を求める

データの平均値を求めることは、エクセルの平均関数の最も基本的な使用方法の1つです。平均関数を使うことで、簡単にデータの平均値を求めることができます。以下は、データの平均値を求めるための手順です。

  1. 平均値を求めたいセルを選択します。
  2. 関数ボタンをクリックし、関数ウィザードを開きます。
  3. 「統計」カテゴリを選択し、「平均」をクリックします。
  4. 引数の範囲を指定します。
  5. OKをクリックすると、平均値が求められます。

条件に合わせた平均値を求める

平均関数を使用すると、条件に合わせた平均値を求めることができます。たとえば、特定の条件に合わせたデータのみを平均化することができます。以下は、条件に合わせた平均値を求めるための手順です。

  1. 平均値を求めたい範囲を選択します。
  2. 「条件付き書式」をクリックし、条件付き書式ウィザードを開きます。
  3. 「数式がtrueを返すセル」を選択し、条件式を入力します。
  4. 条件に合わせたセルが選択され、平均関数を選択します。
  5. 引数の範囲を指定します。
  6. OKをクリックすると、条件に合わせた平均値が求められます。

平均値をグラフ化する

平均値をグラフ化することで、データの傾向を視覚的に把握することができます。以下に平均値をグラフ化する方法を説明します。

  1. データを入力し、平均値を求めます。
  2. データをグラフ化するために、グラフを挿入します。
  3. グラフのタイトルやラベルを追加します。
  4. 平均値をグラフ上に表示します。

具体的な手順を以下に示します。

データを入力し、平均値を求める

例として、A列に日付、B列に売上金額があるとします。B列の平均値を求めます。

  1. B列の下に、平均値を入力するセルを用意します。ここでは、セルB14に平均値を入力します。
  2. セルB14に「=AVERAGE(B2:B13)」と入力し、Enterキーを押します。これにより、B2からB13の平均値がセルB14に表示されます。
  3. データをグラフ化するために、グラフを挿入する
  4. データを選択し、[挿入]タブから[グラフ]をクリックします。
  5. [グラフ]からグラフの種類を選択します。ここでは、折れ線グラフを選択します。

グラフのタイトルやラベルを追加する

  1. グラフを選択し、[レイアウト]タブから[グラフタイトル]をクリックします。
  2. グラフタイトルをクリックし、適切なタイトルを入力します。
  3. [軸タイトル]をクリックし、適切な軸ラベルを入力します。

平均値をグラフ上に表示する

  1. グラフを選択し、[レイアウト]タブから[データラベル]をクリックします。
  2. [データラベル]から[値]を選択します。
  3. セルB14をクリックし、グラフ上に平均値が表示されるようにします。
  4. これにより、データの傾向をグラフで視覚的に把握することができます。

実践的なテクニック

条件に合致するデータの平均値を別のシートに自動転記する方法

  1. 平均値を求めたいデータがあるシートを選択する。
  2. 平均値を転記する先となるシートを選択する。
  3. 平均値を転記する先のセルに、以下のようにCOUNTIF関数を入力する。COUNTIF関数の範囲を平均値を求めたい範囲に、条件を指定する引数を条件に合致するよう設定する。例:=AVERAGEIF(Sheet1!A1:A10,”>5″)
  4. 平均値が自動的に計算され、転記先のセルに表示される。

平均値を色付けする方法

  1. 平均値を求めたいデータがあるセルを選択する。
  2. 条件付き書式を適用するため、[ホーム]タブ内の[条件付き書式]を選択し、[色付きセルのルール]から[上位のパーセンタイル]を選択する。
  3. [上位のパーセンタイル]の[種類]に[パーセンタイル]、[値]に[50]を入力し、[書式]で色を指定する。
  4. OKをクリックして、設定が完了する。
  5. 平均値が条件に合致するセルに色が付けられる。

平均値をグラフ化する方法

  1. 平均値を求めたいデータがある範囲を選択する。
  2. [挿入]タブ内の[グラフ]をクリックし、[グラフの種類]を選択する。
  3. 作成されたグラフをクリックして、[設計]タブ内の[データ]を選択する。
  4. [データの範囲]から、先に選択した平均値を求めたい範囲を指定する。
  5. [列]と[行]を指定し、[OK]をクリックする。
  6. グラフが自動的に作成され、平均値がグラフ上に表示される。必要に応じてグラフのスタイルや設定をカスタマイズすることができる。

まとめ

エクセルの平均関数は、データの平均値を求める上で非常に便利な機能です。基本的な使い方から、応用技術やエラーへの対処法、実践的なテクニックまでを詳しく解説してきました。この記事を通じて、エクセルの平均関数を使いこなせるようになることで、データ分析やビジネスの現場で大きな成果を出すことができます。ぜひこの記事を参考に、自分の業務や課題に応じて平均関数を使ってみてください。

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